理系大学生やっといて良かったシリーズ:運動

毎日ラボに入り浸る理系学生のみんな。実験と勉強ばかりで身体がなまっているのではないか?悪いことはいわない、何なら良いことをいう。運動を習慣にしよう。もちろん理由も述べる。私は、少しの運動でさえ研究者にとってはプラスになることが多いと確信している。運動すること、是非とも考えてみてほしい。なお、学部生の部活動の話ではなく、あくまでラボで一生懸命研究している人に向けてのお話なので、それを前提に読んでほしい。

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始めに、運動によって血行が良くなり身体のこりがある程度緩和される、というごく当たり前のことにも触れておきたい。走れば足腰が、ボールを投げれば肩や首がほぐれるのを実感できる。これは当たり前すぎてこれ以上書くこともないので項目を作らなかったが、とても重要なポイントである。これ以外のメンタル面のメリットを重点的に述べていく。

・気持ちが上向く

これは習慣化する前の一回目の運動直後から感じることができるはず。適度な運動の後はなにか気分が良くなるのである。アドレナリンやドーパミンが出て、とかいう話もあるがこの際どうでも良い。運動したら気分が良くなる→その後の仕事・作業へのモチベーションが上がる、という流れが自然にできる。ホルモンの話とか知らなくてもほとんどの人がこうなる。ソースがほしい方はDaiGoさんをはじめ多くの方がYoutube等で懇切丁寧に解説して下さっているのでそちらを見ていただきたい。研究に限らず、人生を楽しく豊かに生きるのに、自分が気分良くいることは必要不可欠である。運動は間違いなくその一助になる。軽くで良いのでまずはやってみて、その身をもって気分の変化を体感してほしい。

ちなみに私の場合だと、悩み事がある場合は、運動後だとなんかたいしたことないように感じることが多い。〆切がある場合は「やれば終わるもんな、やろう」となるし、対人トラブルがある場合は「でも私悪くないしな、堂々としていよう」、あるいは「私にも非があるからそれは謝ろう」とか前向きな選択肢が浮かびやすくなる。何でなのかはわからないのでホルモンに聞いて下さい。

・脳を休める時間を取れる

先ほどは脳筋な物言いであったので、もう少し研究者の方々に納得してもらえそうなところでいくと、身体を動かしている間はそちらに脳のリソースを割くので、研究や勉強、Abstractの〆切、報告会の準備、実験のデータ整理、など様々なことを一旦考えない時間が生まれる。この時間があると、脳みそを働かせようと思っても動いてくれないあの感覚がリセットされ、ある程度クリアーになる。脳の休憩時間を取れる、ということだと私は解釈している。思考を中断していることに加え、PC画面を見ない時間を強制的に作り出しているのもプラスだと考えている。電子画面を見つめるだけで、人は思ったより疲労する。この時間を削除し、思考を筋肉や身体の動きに集中することで、脳を一度元気な状態に戻せているのだと思っている。

少し話は逸れるが、生産性UPライフハックの代名詞ともいえる瞑想というものがある。これは呼吸や肌に触れる空気の流れなどに集中することから始まって、最後には何も思考しない状態に入り込むことでその後の集中力を爆上げするテクニックなのだが、運動はこれに近い効果を得ている可能性があるなとも思う。運動中というのは身体の動き(スポーツなら勝つための戦略・戦術)について思考しているが、それ以外のことを考えるのが難しい。あるいはスポーツでは反射に近い動き(本能的な反応)も多いのではないだろうか。瞑想ほどとはいわないまでも、思考を制限している(普段の考え事を遮断する)という点でかなり大きな効果が現れているのではないかと思う。

新たな刺激による発想が生まれる

これもよくいわれるものである。散歩の時、あるいはシャワーの時に新しい発想が浮かびやすいといわれるが、運動も似たような位置づけとして捉えることができると思う。要するに頭をリセットしている+新たな刺激を加えている、ということだと思う。実験室・居室・いつものメンツの顔を毎日見て凝り固まった思考回路に外的刺激を加えてバグを起こし、たまたまそのバグが有用である場合、「発想が浮かんだ」と思うのではないだろうか。こればっかりは運要素が絡むので絶対とは言い切れないが、運動が終わって一息ついている頃に、次にやってみたい実験の案が浮かんだりするので、やはりそれに近いものは期待していいと思われる。

やる気・根性が湧いてくる

「気分が上向く」のところで似たようなことを書いたが、なにか知らないが運動を続けていると困難に立ち向かう心が生まれ、”もう一踏ん張り”ができるようになる。私は夕方~夜に大学のジムへいって筋トレをするのだが、その後ラボに戻ってきてもう暗くなっている、みんな既に帰宅している、身体も疲労している、という状態にもかかわらず、「あの仕事片付けよう」という気持ちになり、気づいたらキーボードを叩いているのである。これも男性ホルモンの分泌やらで説明がつくことなのだろうが、そんなのは本当にどうでも良い。やってみればわかる。ここで逃げたら私は弱い、と克己心が生まれて気づけば立ち向かっている。最初は仕事が終わらなくても、立ち向かったという事実だけで満足していい。何度も繰り返すとだんだん本物になっていく。嘘だと思うならやってみてほしい。最初こそ身体を休めるので精一杯だと思うが、運動に慣れた頃、余裕とやる気が生まれているはずだ。

なんか自信も湧く

ここまででちらほら言ってきているが、気分の向上ややる気・根性の変化に気づくと、全能感のようなものが感じられる。そもそも自己研鑽の一環として運動したことが偉いし、身体を動かしたのでホルモンのおかげで気分良いし、前の自分よりたくさん動けたならなお偉いし、その後ラボに戻って作業するなんて偉すぎる。そう、運動したら心置きなく自分を褒めてあげられるので自公肯定感が爆上がりし、それに伴って自信が湧いてくるのである。最初は目標とする重量や距離を達成できなくてもいい。何ならめちゃくちゃ軽い運動をしただけでもいい。「行動に移した」という事実がお褒めに値するのでいっぱい自分を褒めてやろう。筋肉痛は頑張った証なので感じるたびに「私偉い」と褒める。すると、私は偉いので仕事もできる、というある種根拠のない自信のようなものが手に入る。最初はこれだけでも、生産性を上げるのに十分である。習慣になってしまえば、誰がどう見ても偉いので自分が褒めるまでもなく偉いことを自覚し、自分は「そこそこやれる人間である」と自認できる。こうなってしまえば無敵である。立ち塞がる困難はとりあえず突破することを考えるし、偉くて強い私が負けるわけないので粘り強く最後まで戦える。もしうまくいかなかったら、立ち向かった事実を褒めてやればいい。運動によって自信を得るには心の持ちようも大切になるが、やっていれば自然とそのような気持ちに向かっていくので難しく考えなくても大丈夫だ。

無論、ジムでウェイトトレーニングに励んでムキムキになれば頑張りが身体に現われるので自信がつくし、ランニングやスポーツでは身体が引き締まっていくのを感じられるのでそれでも自信がつく。目で見てわかりやすい良い変化が出るのは自信を付けるのに最適だと思うので、私は激しめの運動も推奨派である。

・モテる

当たり前。メンズコーチだって言ってる。
冗談はさておき、上記のように自信がついたり、人によっては結構追いこむ運動をする人もいるだろうが、そのような人は顔つきが良くなる傾向にあると思う。目つきは鋭くなり、口角は上がり、表情が良くなって印象が良くなる。筋肉が多少つくし、脂肪は多少落ちて引き締まるだろう。普段から汗を流すので毛穴は詰まっておらず、体臭もそこまでひどくないはずだ。まずモテやすい身体ができあがる。そして、積み上げた事実によって裏打ちされた自信と余裕があれば、モテないわけがない。私は強いので異性相手でも目を見てハキハキと話せるし、デートの誘いも躊躇なくできるし、断られたら相手が私の魅力を理解できていないだけなのでノーダメージである。…かなり誇張して書いたことは謝罪するが、それでも普段から運動している人は見ていたらなんとなくわかるし、明るくて印象の良い人が多い。男女かかわらず運動はし得だと思う。決して激しい運動でなくても、全くしていないよりかは大きく変わるので、是非ともやってみてほしい。

モテるだァ?適当こきやがって…と思う方もいるだろうが、私はD1後半から週1~2のジム通いor社会人バレーを続け、博士生活で彼女こそいなかったが何人かとデートには行っている(修士ではほぼ0)。彼女はできていないけれど。少なくとも、部活動を引退した後の締まりのない生活をしていたときに比べ、再度運動を習慣にしてからは恋愛にかかわらず異性からのリアクションがかなり好意的になったことは実感している。嘘だと思うならやってみてくれ。

さて、次は実際どのような運動をしたら良いのか、という話である。

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