大学の部活動って実際どうなん?【大学入学を控える皆へ】

大学の部活動に関する補足

大学の部活動に興味のあるあなたが知りたいかもしれないことを補足として書き連ねた。

完全に偏見だが、少し変わった人が多い印象。一つのゲームを異様にやりこんだり、授業にまともに顔を出さなかったり、バカみたいないたずら(部員のデートをストーキングしたりとか。数分でバレて怒られていた)が好きだったり。だが、部活動中は至って真面目で、真摯に取り組む人が多かった。真剣になれる人、というのは一つの魅力である。また、他人の間違いを指摘して訂正・助言することをためらわない人が多いし、それを聞き入れる姿勢を持つ人も多い。目的が技術の習熟とその先の勝利であることを前提としているせいかもしれない。もちろん常識人もいたので、普通な自分は行かない方が良いか…などと考えなくて良い。

簡単に言えば、部活動の方が熱量が大きい傾向にある。多くの部活動はスポーツや楽器などの物事で技量の向上や大会での勝利、賞の獲得を目指す。目的が上達や勝利なので、それに最適化するように一回3~4時間程度で週4~6回くらいの練習スケジュールが組まれるし、基本的に練習には出席義務が伴う。その結果必然的に活動時間が増え、アルバイトや遊びに使える時間は相対的に減る。また、部活動のためのお金(遠征費など)を稼ぐためにアルバイトをする必要がある、というケースも聞く。部活動以外の時間も部活動のために割いていた人が多いように感じる。ただし、その分競技やパフォーマンスのレベルは高くなり、その辺の人では経験し得ない景色を見ることができるかもしれないし、さらなる面白さを見つけてはまってしまうかもしれない。何にせよ、「本気」から得られる楽しさは部活動のいいところである。

一方でサークルは、上手い下手にこだわらずスポーツや楽器などをプレイすること自体を楽しむような活動スタイルが多い。つまり、メンバーに上達を強いることはあまりなく、練習メニューをこなすということもなく、あくまでやれるときに来て楽しくやろうね、といった雰囲気である(ただし楽器の類は少し異なる場合もある)。そして、活動頻度は週1~2回と部活動に比べて少なめで、出席義務はないことが多い。これは高頻度でやるほどの情熱がないというだけでなく、活動のための施設の確保が難しいことも関係している。大学内の設備は基本的に部活動が優先的に使用するため、サークルはスポーツセンターや中学校の体育館を借りての活動も多いとよく耳にする。人数が多すぎると一人当たりの試合数が減って暇になってしまうので、そういった意味でも出席は強制ではないことがある。また、サークルで本気の姿勢を見せてしまうと周囲から引かれる場合があるらしい(サークルによるとは思うが)。技量に差がある場合、下が頑張って上達して上と張り合えるようにするのではなく、上が下がってきて下と合わせて試合を成り立たせる、といった具合である。全部が全部こうというわけではないが、これを許容できるかどうかは部活orサークルの分け目の一つかもしれない。同じスポーツでも複数のサークルが乱立しているのは、このような現象を避けるための、技術レベルによる棲み分けの結果でもあるように思える。

いずれにしても、大学入学を果たした暁には体験入部を通じて実際の雰囲気や熱量を肌で感じてから判断してほしい。特にサークルはサークル毎に雰囲気や熱量がかなり異なり、部活動並みにしっかりやっているところもあったりする。

やめられないということはないが、やめにくいとは思う。やめたいというとかなり引き留められる。大学の部活動は何か会社に近いものがあって、安易にやめてはいけない、といった既成概念のようなものがある(少なくとも私のところはそうだった)。事実、急にやめられると大会や本番に支障を来したり、メンバー不足で練習が困難になったりする。一方で、自分にとって最も幸せな暮らし方に部活動がそぐわないと判断した場合は速やかにやめて良いと私は考える。やめるには一苦労するかもしれないが、もしやめたい場合はタイミング調整など、自分と部活動の両方にとって最善の方法を考えてほしい。

私のいた部活動でも退部者はそこそこいた。退部理由はレギュラーになる見込みが薄くモチベーションを保てないから、勉強が追いつかなくなってしまったから、海外旅行にたくさん行きたいから、など様々。共通しているのは、各々の人生で優先したいことが他にできた、という点だと思う。退部者が出るとさみしいが、退部者が出ないような仕組み、取り組み方を考えるきっかけにもなるので悪いことばかりではない。

部活動・サークルの実例

週間スケジュール例:

 
午前バイト授業授業授業授業バイトバイト
午後授業空き空き授業授業部活バイト
夕方以降部活バイト部活バイト部活バイトバイト
(最も予定を詰め込んでいた時期のスケジュール。大学4年間で平均すればもう少し空き時間ができる)

かなりざっくりだが上の表が一例。空きコマや部活・バイト終了後、あるいは朝起きてから授業が始まるまでの時間で課題をこなしていた。なお、大会期間は土日が全て部活に持っていかれる。表で見ると忙しそうだが、意外となんとかなる。

金銭面:実家暮らしで家賃がかからなかったので、贅沢はできないが死ぬほど金がないわけでもない。授業料は親が負担してくれたが、交際費や衣類、部活動にかかるお金(スポーツ用品、遠征費)など、他のお金は自己負担。アルバイトで全て賄っていた。

スキマ時間:週2~3回ジムで筋トレしていた。他には課題をやるか、暇なときは趣味でスマホの音ゲーに取り組んでいた。当時の最高難易度をフルコンできるくらいやりこむ時間はあった。

友人との遊び:普段はマジでどこも行ってない。ボウリングとかダーツバーとかクラブとか、一切無い。期末試験お疲れ会で飲んだりするくらい。幸い私のいた部活では夏休み、冬休みが申し訳程度に設けてあったので、そういった機会に学部の友人と遠くに遊びに行くことはあった。しかしメンバーとの兼ね合いで旅行日程が部活動開始に被ったりして、旅行の途中で私だけ帰ったりしていた。絶対こんなことしない方が良い。

以降は友人の話なので解像度が一気に下がる。

スケジュール:週8回活動とか言っていた。つまり一日に2回(朝と夜)活動する日があるということ。彼は私以上に大変そうだった。でも授業には顔を出していたし、課題もきちんとやっていた。メンタルがバグっている。

金銭面:アルバイトをしていたが、時間を費やせずたいした額にはならないので仕送りと奨学金でやりくり。

友人との遊び:部活を引退するまで遊べなかった。年末の飲みにはギリ来てくれた。 端から見たら大変そうだが、本人は競技自体を楽しんでいた。不平不満はあまり聞かなかったし、引退後もコーチとして指導に勤しんでいたので、彼にとっては素晴らしい日々だったに違いない。

いわゆる強豪校のそれである。彼のいた部活動ではマネージャーが部員のトレーニングを管理するなど非常に本格的な組織であった。彼はメンタルがバグっており、ストレスにかなり強いタイプであったが、それが生来のものなのか、部活動で鍛えられたものなのかはわからない。

スケジュール:週1~2回程度。活動がない週もある。大会などには積極的に参加していたよう。そして飲み会も積極的に…

金銭面:アルバイトと仕送りで回せる。貯金もしようと思えばできる。

友人との遊び:結構遊んでいた印象。頻繁に飲みに行ったり、月一で遠出したり。彼女ともデート・旅行によく行っていた。

みんなが想像する大学生像に最も近いかも。ウェイ一歩手前みたいな。サークルはスポーツ半分飲み半分。理系でもちゃんとキラキラ大学生(?)やれるってことを彼が証明してくれた。

スケジュール:週2回ほど。しかしこれは仲間と合わせ練習するための時間であり、これ以外の時間で個人練習をしていた。

金銭面:アルバイト、奨学金でやりくり。勉学も手を抜かずに頑張り、授業料免除や奨学金返済額一部免除を獲得していた。

友人との遊び:大切な友人との遊びはしっかりやって、どうでもいい飲みは断っていた。彼女とも尊い時間を過ごしていた。

楽器演奏なので総合的な練習時間は長い。その一方で、一つのサークル内でバンドを組むので、自分と近い熱量のメンバーを選べばちょうど良く取り組める。

スケジュール:週4回ほど。外部での練習が困難であるため、練習場へ頻繁に出向いて自主練。

金銭面:アルバイト、仕送り(莫大)でやりくり。

友人との遊び:普段はほどほどに。長期休みは海外旅行にも。

家で練習できないタイプの楽器演奏で、大学でしか練習できないので、大学内にいて暇ができれば練習しに行っていた。何人ものメンバーとともに演奏するので周りに迷惑をかけまいと一定の責任感が生まれ、練習はサボれない。本人は練習に義務感を感じながらも日々の成長を楽しんでいた。

部活動もサークルもやっていなかった友人知人もいたが、そういった人たちは大学の友人に加えバイト先のコミュニティを大事にしていた印象。また、勉強に力を入れていて成績優秀だった。理系の研究室配属では成績によって志望の研究室に入りやすくなったりするので、その辺まで見据えてやっていたのだろうと思うとさすがである。

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